日常の中にある”新しさ“の記録 その1

いよいよ明後日には、岡崎直哉さんによるFUJIHIMURO初の写真展「ニュー」が開催します。

FUJIHIMUROのキュレーションをするにあたり、街と展示との関係性はできるだけ大切にしたいと考えています。誰もが知っている有名人やすごい人を呼ぶというよりは、この地域や街の魅力を共有できて、つながりを生み出せるような展示。街にも展示をする人にもどちらにとっても財産になる幸せな流れを生み出していけたら最高ではないでしょうか。

そんなことを考えたときに、真っ先に頭に浮かんだ人が岡崎さんでした。富士山を「ずっと追い求めているランドスケープ」と公言していることもそうですが、日本各地にひっそりと佇む昭和的なランドスケープを二眼レフフィルムカメラを使い、海外の旅人が目にするような視点で切り取る写真は、富士吉田の街が必要としているもの、FUJIHIMUROが目指すイメージにピッタリと当てはまります。

写真家としての活動とは別に、CDジャケットや映画のポスターを手がけるグラフィックデザイナーの顔を持つ岡崎さん。もともと数年前に仕事の関係で知り合い、グラフィックのお仕事をお願いしたのが出会いのきっかけでした。岡崎さんは手の感覚をとても大切にする人で、デザインの仕事に関してもPCの画面上だけでは完結しない手のあとが感じられます。そのデザインへの姿勢や、出来上がりの素晴らしさにぼくはすっかりファンになってしまい、装いの庭のロゴデザインをお願いしました。そして、このFUJIHIMUROのロゴデザインも。

美しく、洗練されたものは尖り、固くなり、どこか近寄りがたくなってしまったりするものです。けれど、彼のつくるものには洗練されていると同時にどこか親しみやすさがあります。暗室で自ら手焼きして現像する写真は特にそれが顕著にあらわれているのではないでしょうか。今回の展示では大きな写真から小さな写真、ひとつひとつ手で工作している紙雑貨など岡崎さんの生み出すものがいっぱいに並びます。絶妙な色合い、構図、仕上げの美しさ、それらを探し求めつづけてきた手のあとをじっくりと見れる貴重な機会です。

岡崎直哉写真展「ニュー」
会期:2019.8.10sat_9.8sun
場所:FUJIHIMURO
山梨県富士吉田市富士見1丁目1-5
時間:11:00~19:00
入館料:500円
休館日:毎週 火・水・木
作家在廊日:8/10、11 9/7、8

日常の中にある”新しさ“の記録 その1

日常の中にある“新しさ”の記録 その0

この夏、富士山の麓に新しくオープンするFUJIHIMURO。元は富士製氷という氷を作る会社の工場だった場所を富士吉田市と東京理科大学の研究チームが共同で設計・リノベーションを行い、「この街で引き継がれる文化やこれから生まれていく出会いの始端として、あらゆる人の表現が交わる場」として生まれ変わりました。「ギャラリーやアーティスト・イン・レジデンス、ワークスペースを取り入れたアーティストサロン(お試し滞在施設)」のようなその場所での展示のキュレーションを装いの庭で担当することに。最初の企画は、富士山を『ずっと追い続けているランドマーク』と公言する、写真家/グラフィックデザイナー・岡崎直哉さんの写真展「ニュー」です。

ご縁がつながって、FUJIHIMUROのロゴマークも作っていただいた岡崎さん。岡崎さんのこと、ロゴのこと、FUJIHIMUROのこと、そして、写真展「ニュー」のことをいくつかの回に分けてお伝えしていきます。

岡崎直哉写真展「ニュー」
会期:2019.8.10sat_9.8sun
場所:FUJIHIMURO
山梨県富士吉田市富士見1丁目1-5
時間:11:00~19:00
入館料:500円
休館日:毎週 火・水・木
作家在廊日:8/10、11 9/7、8

日常の中にある“新しさ”の記録 その0