装いの庭で何をしようか、というのはとてもふんわりとした状態でスタートしました。まずは生活を落ち着けて、できるペースを掴んで、少しずつ形にしていこう。そんな気持ちでの独立でした。ずいぶんなめたやつだと思われるかもしれません。実際甘かったかもしれませんが、いままで何をしたいの? と聞かれてもきちんとした言葉にせず、もごもごしていました。

ちゃんと向き合いたかったというのはあります。焦って安易に決めたくもありませんでした。腑に落ちるところまで時間を使おうと思っていました。この先、10年、20年と続けていくつもりの活動なので。で、その「何をするのか?」という答えが先日、ぽんと浮かんできました。それがこの言葉です。

「装いにまつわる、デザインとものづくりの価値の発見」。

一応、専門教育を受けていますし、ものづくりの現場も人よりずっと見てきました。その中で感じたのは、デザインやものが出来上がるまでのおもしろさと、普通の人が触れられる情報の間にある大きなギャップです。例えば、それは「一着一着丁寧に縫っています」みたいな表現に感じてしまうのですが、なんだかなぁ、と思ってしまうんです。作り手一人ひとりの努力や苦労、才能が“それっぽい”言葉に包まれて輝きが鈍ってしまってはいないでしょうか。

装いの庭では、自分の視点を大切に、「装いにまつわる、デザインとものづくりの価値」を掘り下げて、たくさんの人に「発見」してもらえることをしていきます。

そういうわけでほったらかしだったこのサイトも少しずつコンテンツを増やして行く予定です。ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。