ゴールデンウィーク、10連休ともなればみなさん思い思いに楽しまれたことと思います。住んでいる北杜市にもたくさんの人が訪れ、普段以上ににぎわっていました。ぼくは一度行ってみたかった益子の陶器市に行ったり、東京から来てくれた友達と一緒に北杜を満喫したりしました。

が、それ以上にやると決めていたことがありました。”身の回りと自分の中のシステムを整える”ことです。

引っ越して、独立をして、「装いにまつわる、デザインとものづくりの価値の発見」というコンセプトを見つけ、進んでいく道がぼんやりと見えてはいるものの、あと一歩本気でアクセルを踏み込めていない感覚がありました。肝心なところで熱が込められない、頭の中にモヤがかかってしまう、どうにもやりきれない状態を脱するための一番のポイントが、“身の回りと自分の中のシステムを整える”ことではないかと考えていたのです。“身の回り”とはもちろん、自分の生活環境のこと。“システム”とは比喩的な意味はなく、“お金”と“時間”の管理体制のことです。

“お金”と“時間”は、何をやるにしても必要で、かつ限りのあるリソースです。人に雇われるならいざしらず、自分で生計を立てていこうと思うとき、この2つをきちんとコントロールできていないと本当の勝負はかけられないようです。コントロールできていない状態は、目隠しして、ハンドルを握らずに車の運転をするような感覚に近いかもしれません。それでもワイルドに乗り切っていく人たちもいます。けれど、そういうやり方の先に“ぼくが求める幸せの形”がないことだけははっきりしていました。

これはここ10年くらい継続して考え続けてきた課題でした。連休中、一人になり、頭の中に積み重なった「今持っているもの」や「これから必要なもの」、「やるべきこと」などをずるずるとひっぱり出し、ホコリを払って、然るべき場所に並べました。しっかりと向き合う時間をつくったことでかなり良いところまで組み立てられた気がします。2つを管理する仕組みをつくり、きちんと回せると、そのときその瞬間の今やるべきことにきちんと集中できるようになります。これはこの先もずっと支え続けてくれる大切な土台です。

庭の土は耕されました。これからは種を蒔き、芽を育て、大きな実りに向かっていくときです。さぁて、装いの庭にはどんな植物が育っていくでしょうか。