この時期になると道の駅や野菜の直売所には山菜が並びます。たけのこ、タラの芽、こごみ、ヤマウド···・・・。山菜はなんといっても天ぷらがおいしい。

先日、初めて天ぷらに挑戦してみました。油を火にかけ、粉を水で溶き、タラの芽やヤマウドに衣を付けてじゅわっと揚げる。天ぷらってとりあえずの見た目にはなるもんですね。おかしなものを入れなければ食べられないこともない。おいしいかまずいかはおいておいて。

ハードル高いイメージがあったけど意外とできるんだなー、なんて生意気にも思ってしまいました。楽観的なのですぐなんでもできる気になってしまうんです。悪い癖。

では、おいしい天ぷらとそうでない天ぷらを分けるポイントはどこなんだろう?と揚げながら考えてました。素材の組み合わせ?調味料のバランス?隠し味に加える魔法の粉?もちろんあるんだろうけれど、目の前で揚がっていくそれに差し込む余地は見当たりません。

しばらく揚げていたら、油の温度が下がってカラッといかなくなったり、衣の水加減が適当で付き方がまばらだったり、なんかいろいろな天ぷらができあがりました。なるほど。本当に難しいのは火の通し方、水分量このふたつを素材に合わせて最適な加減でコントロールすることか。

家庭の事情でマクロビオティックの基礎知識をそれなりに身につけ、仕事の関係でおいしいものを作る人たちとたくさん知り合えもして、食についてとても恵まれた環境にいるほうだと思います。しかし、正直に言ってしまえば、おいしいものへの探究心はびっくりするくらいありません。毎日ご飯と味噌汁、少しの副菜があればそれで十分。究極を言えば、ほとんど食べずに生きる人を目指したいとすら思っている始末。だからほんとに自分でつくる料理とか適当なんですよね。

けれど、自分で手を動かしてみるとわかる発見は面白くって好きです。作る上での創意工夫、洗練された動きの探求、その余地を見つけられると作り手の人たちのすごいところもまた見えてきます。なんでもいいとは思いつつ、もう少し料理に凝ってみるのも悪くないかもしれません。

あー、おいしい天ぷら食べたくなってきちゃったな。