若者たちへ

前にいた会社では新卒で夢を抱いてはいってくるような子も多くて、ちょこちょこ面倒を見てたりしました。自営業になり人を雇うこともなくなったから、社会人になりたての若い子との接点なんてほとんどなくなるだろうなと思っていた。思っていたのに、なんだか最近はまた新卒の子と一緒に何かをやることが増えてきた。

外部の人間とやり取りを任されちゃうくらいだから、そういう子たちは概ね突出した何かを持っています。ただ経験値がないから、微妙な交渉事になってくると少し粗が出てきて行き詰まったりすることもあるみたい。新しい環境になって、いろいろ動いて、今くらいの時期が任された仕事で込み入ったビジネスに突入する時期なんでしょう。先週になっていくつか相談を受けました。で、問題を解決してありがとうとかごめんなさいとかもらうんだけど、個人的には伝えにくいことを書いておこう。

失敗は許されるうちにとにかくたくさんしたほうがいいよ。

失敗すること、できないことは何も悪いことじゃない。人に迷惑をかけることも気にするなとは言わないけど、避ける必要はない。君たちに取り返しのつかないような大きな仕事はそもそも来ないから。でも、この先働き続けたらいつかはそういう仕事も来るかもしれない。そうでなくても年を重ねるとだんだん失敗は許されなくなってくる。その時のためにも許されるうちにたくさん失敗しておいたほうがいい。

ぼくの新卒時代は今考えてもゾッとするくらいどうしようもなかった。何人かの子をみてきたけど自分よりひどい子とはまだ出会ったことない。小さなことから大きなことまでびっくりするほどの失敗をたくさんしてきたし、その度に周りの大人たちからたくさんフォローをしてもらってきた。会社の先輩、上司、取引先の人たちにも。誰よりも迷惑かけてきたので、起こすトラブルのほとんどは経験済みといっても過言ではない…。怖い取引先の偉い人に凄まれたこともあるし、100万近い金額の量の糸をダメにしたことも、1000枚単位の発注のクレームにぶつかったこともある。その経験から言わせてもらえば、ちょっとやそっと失敗したって大丈夫。命まではとられやしないよ。手の届く範囲ではなんとかするし、ぼくの手の届かない範囲は他の大人がなんとかするでしょう。

だから失敗を怖がらず思いっきりやったほうがいい。失敗をしたとき、しそうなときにはごまかさず大人に相談すればいい。ごまかさずっていうのがポイントだよ。叱られることはあっても見限られることはないはずだ。それで見限るような大人はむしろそっちに問題があると思っていい。

失敗はたくさんしてもいいけど、同じ失敗を繰り返すのはダメだよ。繰り返していいのはそうだな、3回までだ。3回のチャンスの中で問題の根っこをつかんでちゃんと処理できるようにがんばろう。せっかくできることがあるんだから、のびのびとそれを伸ばしてってほしいと思う。まぁ、そんなとこです。

若者たちへ